観音さまとお地蔵さま

医王寺の観音様とお地蔵様をご紹介します。

聖観世音菩薩

観音さま、と親しまれている観世音菩薩の名は、観ることの自在な者を意味します。観世音とは一切を観察することが自在であるように、衆生を観察して自在に大慈大悲をもたらして、これを救う菩薩という意味です。
観音霊場三十三ヵ所霊場巡りは古く(988年)からあり、形は違えども現世利益の仏さまとしての信仰には変わりありません。観音様には六観音、二十五観音、三十三観音と多くの観音さまがありますが、それらのお姿は観音さまの慈悲が広大無辺であることを示しています。

水子地蔵

水子地蔵お地蔵さまは柔和な僧形をしていることから子供の守護仏と信じられ、子安地蔵、子育地蔵、水子地蔵などの信仰が盛んです。地蔵像は、しばしば子供の姿で造られるようになり、赤いよだれかけをつける風習が広がりました。

お地蔵さまは、人びとの願いごとを聞き災厄病苦などを本人に代わって身に受け、困難に直面している者の前に現れ、その苦しみを救うといわれています。特にこの世に生まれることなく死んでいった嬰子や両親のうでにいだかれることなく逝った嬰子をご慈悲をもって救うとされています。

当に自らを後にして他を救うという父母の愛そのものの菩薩なのです。

六地蔵

六地蔵お地蔵様は大地の神格化で星宿をつかさどる神とされ、仏教にとりいれられて地蔵菩薩となりました。仏教では釈迦が入滅したのち弥勒菩薩が下生するまで、この世に仏が不在になるため地蔵菩薩が修行僧の姿で現れ六道の衆生を救うとされています。
その六道とは、地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天上のことをいい、そのうち地獄、餓鬼、畜生が三悪道で、この世で悪いことをしたものが、そのむくいとしてそこに生まれて苦しむとされ、また、修羅、人間、天上を三善道といい、この世で善いことをしたものがここに生まれて楽しむといわれています。
そして、この六地蔵さまは、慈悲の深い仏さまで六道能化の行願を立て、それを実際に果たすために六道に分身していろいろの方便手段をなされ、教化をほどこし、ご利益を与えてくださるありがたい仏さまなのです。